響鳴リング・詳細

ドラム専門店や楽器店のドラムコーナーに行くと、多種多様なドラムスティックに驚かれるでしょう。
様々なメーカーから様々な種類のスティックがリリースされています。
材質はもちろんのこと、太さと長さも異なり、またチップと呼ばれるスティックの先端の形状に至まで、豊富なラインナップになっていますが、ドラマーはまずこの違いを理解しながらスティック選びを行うことが、自分の身体と表現したい音に合った正しい選び方となります。

ところが一方、太鼓のバチとなると、長さと太さは確かにいろんなバチがありますが、その種類はぐっと減少してしまいます。
なぜでしょう?

これについては幾つかのことが言えるでしょう。

  • 現在の太鼓文化の主流である創作太鼓に於いては、メソッドが曖昧で、バチ選びについても明確なものがない。
  • 各地域に伝承される伝統的な太鼓については、長い時間を掛けて少しずつ変化を遂げながら現在に至っている場合が多い為、材質的にも形状的にも特殊なバチに設計されてることも少なくありませんが、これに見習い、それらしいバチを創作太鼓にもそのまま流用している。
  • 太鼓の革が、ドラムのヘッド(プラスティックの革)とは厚みもしなり具合も異なる為、バチ側に細かい違いがあっても、音的には影響が出にくい。
  • 太鼓グループや太鼓チームの会、または団体に所属したら、指定のバチがあった。

    等々・・・・・

だから気にしなくても良いのでしょうか?


バチは太鼓に直接音を伝達させる大切な役割をするので、形状材質の違いはもちろんのこと、重量から乾燥の状態に渡るまで音に大きく影響してきます。

  • 奏者の身体や骨格に合っていないバチは、コントロール感の不都合によりパフォーマンス性の低下やスキルの上達を妨げ、最悪の場合には腱や筋肉を痛めることもあります。
  • 演奏する太鼓に合っていないバチは、革への伝達が適していない為、音質や音量が不十分だったり、ミュートを掛けてしまう状態だったり、最悪の場合には革が破けてしまうこともあります。
  • 形状や材質が合っていても、バチ先の形状によっては、求める音質が出なかったり、音ムラが目立つような結果になってしまいます。

バチは素材はもちろんのこと、その太さや長さの形状から重量、そしてバチ先の形状に至まで、しっかりと判断して選択することが、太鼓を演奏する上で必要不可欠と言えるでしょう。

太鼓のバチには伝統的なものから創作的なものまで含めると、本当に多くの材質が使用されています。

林田ひろゆきは以前、あるバチ職人のサポートで約20種類もの材質のバチを使用し、どの様に音に変化があるかを調査したことがあります。
その経験を元に、シグネチャーモデルは開発・設計されました。

材質には、朴木、ヒノキ、メイプルの3種類を使用しています。

過去の調査の結果、太鼓に最も相性が良い材質は朴木と言うことが解りました。
音の立ち上がりとキレ、軽やかでも深い音質、手との相性、等々・・・、特に数十年もの自然乾燥をさせた材質は、言葉にならないほどの味わい深い音質を引き出します。
実際に太鼓バチとして朴木は良く使用されていますが、恐らく先人達の智恵の結晶ではないのでしょうか。

バチに用いられる様々な材質

木の材質.psd

ただ、朴木も太さ28〜30mmを越えてくると、重量もそれなりに増え、コントロール感は低下してきます。
基本的にバチの太さは重さに比例します。

その代わりとして、今度はヒノキがよく使われています。
ヒノキは軽さと強度のバランスもよく初心者から上級者まで使われていますが、やはり同様に音の立ち上がりとキレ、軽快な音質、手との相性については最良と言えるでしょう。
太く長いバチにはヒノキが使用されるのはこの為です。

メイプルは、朴木とヒノキの持ち味とは全く異なります。
太鼓の一つのスタイルとして盆太鼓や八丈太鼓に代表される、太鼓のフチ(縁)を叩く奏法があります。
これらの材質としてよく樫(カシ)を用いられることが多々ありますが、確かに樫バチで叩くフチの音については、とても鋭く、そしてよく響く音質を引き出します。
しかし、太鼓の胴の材質として最も多く使用されるケヤキは、この樫よりも柔らかい材質の為、強く叩かれると凹んでしまうことは避けられません。盆太鼓等のフチ部分がボロボロになっていることをよく見かけます。
また、樫は重量的にもバチの素材としては最も重く、この重量で打面を叩いても、革がよほど強さと厚みを持っていない限り振動を引き出すパワーが足りず、結果的にミュートを掛けられた状態になる場合も少なくありません。
もちろん、普通に打面を叩く奏法の場合としては、樫バチはオススメしにくい材質の一つです。

メイプルは、この問題を解消する為とフチ打ちの奏法を目的として使用しています。

当然ですが、演奏する太鼓の種類やサイズが変わると、それに比例しバチの形状(太さと長さ)も買えていかなければなりません。

シグネチャーモデルの全シリーズの形状は、林田ひろゆきが3ヶ月〜6ヶ月に渡って設計を決定しています。

それは、太さは0.5mm単位、長さは5mm単位での微調整を何度も何度も繰り返す作業です。
人は日々の体調や体力、筋力によってやりやすいバチの形状が微妙に変化します。
当たり前ですが、太鼓は日々変化はしません。
この太鼓のサウンドを引き出す為に必要な形状と、奏者に必要な形状のせめぎ合いで求められる形状を決定する作業と言って良いでしょう。
その為に必要な時間が最低約3ヶ月なのです。

バチは一見、そのほとんどがただの円筒状のシンプルな形状に見えます。
しかし、シグネチャーモデル全シリーズの形状には、多くの経験と知識が詰まっています。

シグネチャーモデル全シリーズのバチ先の形状は、林田ひろゆきがドラムスティックのチップ(先端)の形状とサウンドの関係性の経験と知識を元に、様々な形状パターンでサウンドチェックを行い決定しています。

それは、バチ先のカーブの形状パターンが異なるサンプルを幾つも製作し、どの様なカーブがどの様なサウンドを引き出すか、それぞれで何度もサウンドチェックを繰り返す作業です。
基本的に、バチの先端のカーブが緩やかな場合は、柔らかく円やかなサウンドになり、カーブが急な場合は、硬く鋭いサウンドになります。
また、バチが打面に当たる時、バチの角度によっては打面に当たるカーブの場所も当然に変化します。
これらのことを考慮し、各太鼓の特質を考慮してカーブを決定しています。

バチ先は一見、そのほとんどがただのカーブに見えます。
しかし、シグネチャーモデル全シリーズの形状には、ここにも多くの経験と知識が詰まっています。

バチ先の形状もこだわりの設計

こだわり_バチ_クリック画像.psd

ピッチとは音程のことですが、太鼓店でバチを購入した際、1組のバチのピッチがほぼ同じと言うことは稀です。
本来、ピッチはバチの重心が異なっていたり、木材の密度が部分部分で微妙に異なっていたりすることで起こります。
当然、それは重量にも現れるので、1組のバチの重さが全く異なっている場合も少なくありません。

ピッチの違いはそのまま、太鼓のサウンドに直接影響します。

ピッチが大幅に違う場合は、太鼓の左右の音が気になるほど異なっています。

バチを購入する場合、そのほとんどが1組、つまり2本のバチが組になって袋にラッピングされている場合が多いと思います。
1本1本がバラで販売している太鼓店もありますが、かなり珍しいケースと言えるでしょう。
本来、太鼓バチは工場で大量に生産される為、1本1本のピッチを確認して袋詰めすることは無いと言っても過言でないでしょう。

シグネチャーモデルは、このピッチにもこだわり、1組1組を提供しています。

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